市場が暴落時に逆行している銘柄の存在
相場の雰囲気が悪い時は株価を下げる銘柄が多いのは当たり前ですが、そんな中でも滝をのぼるように上昇していく銘柄は存在します。
逆行高のことを「独歩高」とも呼ばれますね。
例えば令和のブラックマンデーと言われた2024年8月5日に起こった大暴落では、一日で801銘柄がストップ安と大荒れの中、ぷらっとホームという小型株はストップ高に張り付いていました。
2018年の秋頃からの景気後退懸念時には、相場全体が下落する中でサンバイオというバイオ株がうなぎ登りに株価を上昇させていました。
地合い悪化による資金集中
では、地合いに逆らって逆行高する銘柄はなぜ出てくるのでしょうか?
その理由としては、市場全体の雰囲気が悪い故に資金が集中するからです。
地合いが悪いのに資金が集まるのは矛盾しているように思うかもしれませんが、これは度々起こることであり、短期勝負をしているデイトレーダーはこういった銘柄を触る機会が他の中長期のトレーダーに比較すると多いかと思います。
相場全体が売り目線になると多くの銘柄から資金が抜けていきますが、こういった行き場を失った資金が暗闇の中で一番星のように輝いている銘柄に一斉に向かうわけです。
こういった独歩高する銘柄というのは、直近で強烈な材料や思惑などが出ていることが多々あり、時価総額も低めの小型株であることが多いです。
また、特段材料などが出ていない場合でも仕手株のようにグイグイと株価を上昇させるものもあります。
このタイプの銘柄は、時価総額が極めて小さい傾向にあります。
地合い好転時には要注意
逆行高している銘柄は地合い好転時には注意が必要です。
市場というのは永久に下がり続けるということはなく、どこかのタイミングでリバウンドは必ず起こります。
それがどのタイミングで起こるかを予測することは言わずもがな難しいのですが、短期間で急激に下げた後に起こるリバウンドは急である傾向にあります。
コロナショック後や令和のブラックマンデー後の戻しもそれは早いものでした。
こういった市場全体に資金が行き渡る時というのは資金が色々な銘柄に分散しているととらえることもでき、今まで独り気を吐いていた独歩高銘柄から資金が抜けていく場合があるのです。
特に仕手株のように特段材料が出ていなかった銘柄の場合は特に注意が必要で、地合い悪化自体を材料のように振舞っていた銘柄は地合い好転時には手のひらを返すように資金が抜けていく可能性があるのです。
必ずしも地合い好転時に逆行安するとは限りませんが、資金が抜けていく可能性は十分にあると頭の片隅に入れておくことはとても重要です。
全体の地合いがこんなにも良いのだからとひたすら買い向かっていくと、全く買いが入る気配がなく自分だけ大損してしまうということにもなりかねません。
デイトレーダーは資金の流れというのを常に意識して立ち回っていくことが大切なのです。